橘 玲から学ぶ!! 


橘 玲のプロフィール

橘 玲(たちばな あきら)
早稲田大学第一文学部卒業。元・宝島社の編集者で雑誌『宝島30』2代目編集長。日本経済新聞で連載を持っていた。海外投資を楽しむ会創設メンバーの一人。2006年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補となる。デビュー作は経済小説の『マネーロンダリング』。投資や経済に関するフィクション・ノンフィクションの両方を手がける。2010年以降は社会批評や人生論の著作も執筆している。

橘 玲の魅力

投資や経済に関するフィクション・ノンフィクションの小説や、社会批評や人生論といった数々の著作を執筆している。投資・経済の知識が乏しい日本の中で、お金の稼ぎ方や稼いだお金の守り方といった非常に有益な情報を提供してくれており、どの本を読んでも目から鱗が落ちる内容が多く、本を購入することに対してコストパフォーマンスが高いのが魅力である。

橘 玲の作品紹介

1. マネーロンダリング

[あらすじ]
香港在住で、もぐりのコンサルタント・工藤をある日、美しい女・麗子が訪ねる。「五億円を日本から海外に送金し、損金として処理してほしい」彼女の要求は、脱税の指南だった。四ヶ月後、麗子は消えた。五億ではなく五十億の金とともに。すぐに工藤は東京へ。麗子と五十億の金はどこへ?

姉妹作品である『永遠の旅行者』(上)(下)『タックスヘイヴン Tax Haven』もあわせてお読みください。

[感想]
ゴリゴリの経済小説ではなく、その辺の知識が豊富でない自分でもスラスラと読み進められる構成は立派。マネーロンダリングがストーリーの中心にあるわけだが、決して過剰に主張するのではなく、一流のミステリーをまるで背骨のように目立たず中からしっかりと支えているといった感じ。そして、目立たない背骨を覆っているがっしりとした筋肉質なストーリーがとても秀逸で、オススメです。また、オフショア、タックスヘイブンなどなんとなくしか理解していなかった言葉が、分かりやすく理解できました。

2. タックスヘイヴン

[あらすじ]
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄(マネーロンダリング)、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ……。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは? 国際金融情報小説の傑作!

[感想]
テーマはタイトルとあまり関係なく、ドラマは高校時代に始まる恋愛あり、友情あり、ハッピーエンドありで無条件に楽しめる。著者にもこんな甘酸っぱいものが書けるのかと感心していたら、やはり中盤からドロドロした話になって面白い。

「金融の世界には、白いカネと黒いカネがある。黒いカネは、脱税や犯罪で稼いだ資金でなにがあっても表に出すことができない。白いカネは出所が明らかで、法に基づいて権利を主張できる」。端的に言うと黒いカネは誰のものでもない。誰にどう使われても文句を言えない。その結果、責任だけを負わされることになっても抗うこともできない。それが現実なのだろう。